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再会 「お待ちしてました。奥にいますよ」 |
席を立ってしまった南部を気にしながらも手続きを終えたスタッフが、奥の部屋に知らせに行こうとすると『お見送りしましょう』あくまでもにこやかに施設長は言った。ここで面倒を起こすまいと、彼と廊下を奥に進んでいくと両側に並んでいたドアのひとつが不意に開き、腕白どもが転がり出てきた。どうやら覗き見をしていたらしい。施設長は大声で職員を呼び、飛んできた職員達は、重なり合ってもがいている子や、蹴飛ばされてベソをかいている子、喚いて抵抗する子らを引き離しはじめた。その騒ぎにまた別のドアが開き、様子を伺っていた子供達がかたまって転がり出てくる。邪魔にならないようにスタッフが離れて見ていると、職員達はそれら腕白どもを引っ立て、手際よく壁際に並べていく。そのどさくさに紛れてまたドアが細めに開き、グリーンの眼をした髪の長い女の子が、大きい子の陰にいる小さな男の子をそっと手招きして素早くドアの中に招じ入れた。来客である彼と目が合うと彼女は小さく会釈して、すぐにドアを閉めた。 |
暗影 夫人の死をどう伝えたらいいのか迷い悩み、考えがまるでまとまらなかった。通信機の前でついた深いため息に呼応するように、機械が反応した。背中を冷たいものが流れる。大きく息をすった。(どうか落ち着いて聞いてくれ・・・) 11歳・嵐 後編(完) |
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